令和元年の7月になりました。
梅雨明けはいつになるのでしょう?
どんよりとした天気が続いています。
さて、今日はお墓まいりと墓じまいについて考えようと思います。
一見すると真逆のことを言っているような言葉ですが、案外そうでもないようです。
平成30年7月に全国石製品協同組合が “墓じまい” に関するアンケートを実施しました。
アンケートをとった対象は「墓じまいを行った全国の30代以上の男女141人」です。
まず、なぜ墓じまいを行ったのかという問いでは「継承者がいない」というものが一番多く、その次が「お墓が遠い」という理由でした。
私も自身がその立場になったならば「継承者がいないから今あるお墓と、中に入っているご先祖様を自分が元気なうちにどうにか安心できる形にしておきたい」と考えるでしょう。
それはきっと、ご先祖様を敬う気持ちがあるからこそ手入れが行き届かない状態にしておくのは心苦しいという気持ちが働くからであると思います。
ここで、次に多い理由の「お墓が遠い」というものについて考えてみます。
「お墓が遠い」から墓じまいをするとういのは「お墓が近くに欲しい」と言い換えられます。
この理由を挙げた方々は、お墓参りに行きたいと思っている方々です。
実際近くに新しいお墓を建ててそこに遺骨を移すことや、元々あるお墓(嫁ぎ先の家のお墓)に納骨をするという方法をとる方が多いです。
昨今メディアが墓じまいを大々的に取り上げ、お墓離れや日本人の供養心が薄れていると報じることがあります。
しかし、本当にそうなのでしょうか。確かに海洋散骨や宇宙葬など、様々な葬送の方法が人々に受け入れられ、広がっているのも事実でしょう。
しかし、私たちが実際仕事をしていて感じるのは「墓じまい」というより「改葬」の側面のほうが大きいということです。
「うちは、娘だけだからこのお墓は墓じまいしないと…」
そんなお話もよく聞きます。
永代供養塔ってどうなのかしら?樹木葬って?と情報を求める方も多々いらっしゃいます。
これを聞いて感じるのは、墓じまいをしてご先祖供養から解放され身軽になりたいという、供養心の薄れというよりは、ご先祖様を大事に思い、自分がお墓参りに行けなくなったときに、それでもご供養してもらえる、ご供養できる環境を整えておきたいという強い思いです。
供養の方法は昔とは違いますが、今できる最善の方法を皆さん探して実践されているんだと私は思います。
「墓じまい」は決して悪い意味ではありません。
お盆前のこの時期、今一度ちゃんと考えてみるのも良いですね。